自治寮と、暮らしの姿

インタビュー:2024/11/10, 12/10, 11 実測:2024/8/22(食堂), 2023/10/29, 30(談話室) インタビュイー(空間利用に関係する寮生):建築のホープさん、庶務部員さん、15 番さん、ハギワラさん、T.N さん、ひろとしさん、PandA さん、もやっしー さん、B4 老人 1 さん、寺さん、うめさん、しまはるさん、後畑さん、アメリカムシクイさん(いずれも仮名) 聞き手・実測調査:井上青葉、榑谷夏香、四十坊広大、山田智也

インタビュイー:建築のホープ

——はじめに建物の基本的な情報について教えてください。

 熊野寮には居室棟が3棟あって、それぞれA棟、B棟、C棟と呼ばれてます。 それに加えて食堂があります。 居室棟はそれぞれ4階建て、食堂は平屋で、全て鉄筋コンクリート造になってます。大学からは自転車で5分ぐらいですかね。一般的には近いという認識になると思います。ただ、なかには遠いと言ってる寮生もいます。

——コミュニティの単位や規模について教えてください。

 先ほど居室棟が3棟あるという話をしたんですけど、大体この寮には400人以上の寮生が住んでいます。大きく見れば、その400人全員が1つのコミュニティということになりますが、細かく見ると、各棟の各フロアごとで、ブロックというコミュニティが計9つできています。ブロックごとで寮の仕事を分担している側面があって、そういった仕事を一緒にやるという繋がりや単純に距離が近いという話もあって、そのブロックの中でコミュニティが形成されるという場合が多いですね。ただ、ブロック以外でも年が近かったりとか、あるいは気に入ってる場所が同じだったりとか、そういうところでコミュニティができたりもしてますね。

——共用部の種類やその大きさについて教えてください。

 食堂が一番大きい共用部なんですけど、食堂は食堂にコミュニティがあるというよりかは、不特定多数の人がいろんな用途で使ったりしています。それから、先ほどブロックの話はしたんですけど、居室棟の各フロアごとに大体1つ談話室という部屋があって、これはブロック共用のリビングみたいなものです。炊事場と洗濯場も各フロアにあって、あとシャワー室が1階にあります。そして音楽室があります。これは熊野寮として結構自慢できる空間かなと思います。寮のお金で音楽の機材とかドラムとかを管理してて、 そこは寮生寮外生問わず無料で貸し出しています。音楽を中心に広がってるコミュニティもあって、そういう人たちで大体2ヶ月に1回ぐらい寮内ライブをしたりしてます。音楽のコミュニティは結構広くて、寮外とも連携して狂奏祭っていう音楽イベントをやったりもするんですけど、そういう音楽室周りのコミュニティが結構強く働いてるなという印象はありますね。

——建物周りの中庭とか駐輪場とかがどういう風に使われているのか知りたいです。

 中庭はすごい汚いんですけど、先日の話をすると、中庭に七輪と畳を出して、みんなでナスサンマコンパをやりました。100人ぐらいで集まって、ナスとか季節の野菜とかと一緒にサンマを焼いて食べました。そういうみんなでご飯を食べて話すというような会をやったりとか、中庭でタテカンを書いたりすることもありますね。駐輪場については、基本的に自転車だらけなんですけど、「くまのまつり」っていうお祭りを年に数回開いていて、そのときは自転車を全部どかしてお祭りの会場にします。先ほど話した狂奏祭のときも同じ感じです。

——地域の人に熊野寮を開いていくような取り組みについて教えてください。

 まず、なぜ地域の人に熊野寮を開かなければいけないのかというと、熊野寮だけに自治が残っていれば良いという考えでは社会から孤立してしまうし、寮の存在意義というものも語れないからです。熊野寮の自治を守るということを主張していくためには、それが社会の中でどう意味を持てるかというものを説明していかなきゃいけないという、そういう意味で地域の人に開こうという取り組みがなされているということは説明させていただきます。その上で、どのような取り組みがやっているのかについて話すと、1つ大きなものは、年に3回「くまのまつり」というお祭りがあって、地域のお店に出店してもらったりとか、あるいは地域で活動している出演者の皆さんにステージで音楽とかいろんなものを披露してもらったりしています。そういう寮生と地域の人と一緒に作っていくお祭りというものをやっています。いつも2日間で2000人ぐらい来てくれて、そこで熊野寮の置かれてる状況だったりとか、自治の重要性というものを地域の人に語る場として取り組んでいますね。他にも、熊野寮生が地域の町内会長と協力してKUMANという無料塾をやっています。週に1回、熊野寮がある川東地区の集会所で、寮生が地域の子どもたちを呼んで、勉強を教えたりとか、遊んでいるだけの日もあるんですけど、それも全部無料で子供たちの面倒を見るという会を行っています。そういった感じで、地域に開いていこうという取り組みは行っていますね。

——次に、寮生の生活についてお聞きしたいです。

 これは本当に人それぞれで、400人もいれば生活の仕方は色々ありますね。ちゃんと大学に行って、大学の授業を軸に据えて生活している人もいれば、寮での活動にかなり力を注いでいる人もいるし、特に何もやらずに談話室でずっとゲームをやって昼夜逆転してるような輩もいます。談話室で人と喋ったりとか、食堂で人と喋ったりとかっていうので、夜な夜な夜更かししてる人もいますし、人と喋りつつも普通に大学に行ってる人もいる。僕の肌感では寮外生よりも寮生の方が留年したりとかで、のんびり大学生活を送ってる人が多い印象ですね。 食事に関して言えば、熊野寮では寮食が出ます。食堂に隣接して厨房があって、そこで栄養士さんが考えた、ちゃんと栄養のあるメニューが朝昼晩と提供されます。授業期間の平日にしか寮食はないんですけど、その期間は多くの寮生が寮食を食べるので、栄養とかには困らないとは思います。

 寮生活はいいところ悪いところ色々あると思うんですけど、やっぱり常に人がいるというのは1ついいところではあるのかなとは思っています。話し相手にも遊び相手にも困らないし、それで夜更かしとかもしてしまうところはあるんですけど、やっぱり結構辛いことだったりとか悩みを抱えた時にも、そばに話し相手がいるというのは結構心強いなとは思ってます。逆に悪いところとしても人がいるというのはあるわけで、1人になりづらいというのはあるかなとは思いますね。

 あと熊野寮は自分たちで管理運営をしている自治寮ではあるので、 そういう空間でしか味わえない空気感というものが結構あると思います。なかなか言葉で言うのは難しいんですけど、 ベースとして自分たちでちゃんと話し合って意思決定をするということがされてきた空間で過ごすというのは、 空気感として解放的なものはあると思いますし、そういったものが居心地の良さにも繋がってるなとも思います。自治寮だからこそ、社会に目を向けた時に、おかしいと思うことに関してはちゃんとおかしいという風に言えて、みんなで話し合って、自分たちで社会の問題を捉えて、それを踏まえて今の熊野寮がどうあるべきかというものを自分たちで決められるというのはすごい魅力かなという風に思います。わかりやすい例で言えば、例えば差別問題というのは熊野寮の外ではすごい横行してる問題だと思うんですけど、そういったものに反対して、全員が住み心地の良い環境を目指して、自分たちで話し合って対策を取れるというのはいいところかなという風に思います。当然まだまだ不十分な点はあると思いますが、そこはすごく気に入っていますね。

——自治会の構造や意思決定プロセスについて、自治会の権限や大学との関係なども含めてお聞きしたいです。

 法律上の施設管理権が大学当局にあるというのは確かなんですけど、熊野寮自治会が自分たちで熊野寮を運営する自治というものは、大学当局と熊野遼自治会との確約によって明確に約束されて来ました。例えば入退寮選考権、 つまり誰を入寮させて誰を退寮させるかという権限は、大学当局ではなく熊野自治会が今持っています。あとはトイレが壊れたりとか水道が壊れたりとかということが結構起こるんですけど、そういったことも自治会がきちんと把握して、大学の厚生課という寮担当の部署に要求しに行くといったこともしています。

 ただ、確約が一方的に破棄されてるような現状が今あり、 そこは熊野寮自治会として当然不当だと考えています。過去に、副学長が変わった段階で、 あれは前の副学長がサインしたものだからという理由で確約を破棄した副学長がいて、それ以来、大学当局は確約を認めていないという風に主張している状況にあります。そもそも組織間の確約であって、副学長が入れ替わったら確約が破棄されるということは当然ないわけなんです。ただ、確約によって熊野寮の自治が約束されているというわけでは当然ないわけで、そもそも自治というのは法律の上ではあまり明文化されていないものなんです。つまり、寮生たちのこの場所での自治の実践というのが、先ほど言ったような自治会の力の強さというものを守っているという風に思っています。

 実際どういう風に自治会が組織として意思決定をしてるかというところは、先ほど言ったような大学との関係の都合上であまりはっきりとは言えないんですけど、寮生全員がきちんと組織の意思決定に参画できて、みんなが責任を持てるような意思決定のプロセスが、寮の中で確立しているということは伝えておきます。

——最後に熊野寮からアピールやメッセージをお願いします。

 熊野寮がやばい場所だという風に、しばしばささやかれてると思います。当然、機動隊が来るニュースを目にしたこともあると思いますし、他にも過激派の拠点だとかいう風に言われることって結構あると思うんです。ただ、やばいとかやばくないとかそういったレベルの話ではなく、いろんな考えを持った人が同じ空間に住んでいられることに、僕たちは価値を感じているということは伝えておきたいです。思想で入寮する人を差別しないといったことを実践しながら、自分たちで運営しているという、そういったものが生む豊かさというものに注目いただけたらなという風に思っています。

食堂

インタビュイー:庶務部員


——食堂の位置づけや使われ方について教えてください。

 位置付けは、寮の食事場所、兼多目的スペースだと思います。朝・昼・夜の3食の寮食の食べる場所がまず前提としてあって、それ以外でも同時に勉強してる人だったり、 知的な集まりだったり、あとビデオ通話とかゲームとか、自由に出たり入ったり可能で、人が集まってくる場所だと思います。私が使う時は、朝・昼・夜の3食の時間が多くて、どれくらいいてもいいので、10分ぐらいでぱっと食べて出て行くときもあるし、人と楽しく喋って、3時間ぐらい座っている時もありますね。あと、課題が切羽詰まってる時とか試験期間とかは、深夜に徹夜ぐらいな感じで、パソコンを持ち込んで、勉強や作業をしたりします。他には、部会・委員会で、曜日ごとに各部会が夜集まってたりします。中央のモニターとその周辺の机とかで、毎回何十人かが集まって話し合いとかをしてます。あとは食堂の北側に区切られてるスペースがあって、食北って呼ばれています。ここでは主に歓談が行われています。食事だったり、麻雀だったり、置かれてるパチンコスロットだったりをやっている感じです。あと何人か毎日寝てる人もいるような感じです。私もふらっと立ち寄って座ってみたいな感じで使っています。

——食堂と食北の違いは何ですか?

 そうですね、違いとしては、食堂の方で部会・委員会が行われていることもあって、よりオフィシャルな感じもあり、あと結構流動的にいろんな人たちがいる気がします。食北の方がもう少し人が固定化されてるのと、よりゆるっとした感じでのんびりできる。あと、普段食堂と食北は空間的につながっていますが、いろんなイベントごとや大会ごとの時には、食堂と食北の間のカーテンを締め切って、完全に2区画として分けて使うこともできます。

——この食堂でのルールとか、家具とかがどういう風に使われているのかをお聞きしたいです。

 明文化されたルールはありませんが、暗黙の使われ方として、1つは机の分かれ方があると思います。 寮にはブロックといって、居住区で40人単位ぐらい分かれているんですけど、食堂の机の列ごとに、この机の列はこのブロックみたいな場所がなんとなくあったりします。部会・委員会の時は、モニター周辺とその周りにその部会・委員会に参加する人が優先的に座るっていうのもあるかな。あと食堂の北東の端で、食北に1番近い机は食北民によって植民地化がなされているので、食北メンツが寮食を食べてることが多いですね。

——イベントなどで、食堂が日常とは違う使われ方をする時の話を教えてください。

 大きなイベントでいうと、狂奏祭っていうお祭りがあります。このときは食堂全体がクラブディスコみたいな感じになって、机を全部どかして、天井にはミラーボールと電飾をつるして、食堂が祇園みたいな空間になっていて面白かったです。それで人もぎゅうぎゅうになると熱気もすごくて、人の汗で空間が真っ白に、みたいな感じになってました。 あと、寮祭期間中は食堂の中でいろんな企画が同時並行で行われていたりとか。食北はライブ空間としても使われます。空間自体にステージとか楽器とかアンプとかを持ち込んでライブを開く感じです。他には、コンパっていう食べたり喋ったりする会が不定期であるんですけど、その時は机を全部はけて、床全面に畳を敷いて、みんなで鍋囲んだりしながら交流してますね。食堂はいろんな使われ方があって、見た目も変わるし、雰囲気も変わるしという感じで、結構楽しいところです。

——食堂の気に入ってる/気に入らないところはありますか?

 気に入ってるところは、雑多なところと人の流動性ですかね。 とにかくなんかよくわからないものもいっぱい置いてあって、ぬいぐるみの生首とか、誰かの古い服とか、ヘルメットとか色々置いてあったりして、それだけで楽しいです。人も基本的に出入り自由な場所なので、自分もどんな過ごし方してもいいし、いつふらっと来てもいいみたいなのが、全寮に開かれてる場としても、1人で過ごす場としても、楽しいなって思います。あと全体的に開けてて、あんまり仕切りとかがないので、いろんな人の顔が一気に見渡せるのもいいなって思いますね。改善希望の点としては、レンジが2台しかないので、喫食時間中に並ぶこととかが多いのが難点です。あとモニターの正面側に柱があるので、ちょっとモニターが見えづらいこととかもちょっと困りますね。でも今更この柱削れないんで、仕方ないですね。面白いなと思うのは、天井のカスタマイズ性で、たまにミラーボールが突然入ったりすると楽しいですね。天井に学生証を打ちつけてる人とかがいたり、天井からおっきなスケジュールの垂れ幕みたいなのが吊るされていたりと。いろいろ言いましたけど、ブロック問わずいろんな人が来れるし、なんなら寮外生の一般の人も来れるし、みたいな感じで、食べる場所としてもそれ以外の場所としてもすごい好きな場所なんです。

 

A1 談話室

——談話室がA1の中でどういう風に使われているのかを、利用頻度や利用人数を含めて教えてほしいです。

 まず利用人数について。最近はOPの人も来るので少し多いですが、昼間は5、6人で、昼下がりの時間は3、4人で、夜になると多い時で10人、少ない時で昼間と同じ人数くらいいますね。利用頻度は人によってまちまちで、 この部屋で寝るぐらい利用頻度が高い人もいれば、寮にいる時間の半分ぐらいしか談話室に来ない人もいるので、利用頻度については特に定まったことは言えないです。使われ方としては、ベッドが4つあるので睡眠ができます。あとは麻雀とかドミニオンのようなボードゲーム、ダンガンロンパやスプラトゥーンのようなテレビゲーム、あとアニメ・映画鑑賞などに使われますね。談話を目的として来る人も一定数いるんじゃないかなって思うんですけど、僕は違います。僕は麻雀とドミニオンが好きなので、それをするためにここにいて、誰もいない時はここで勉強をしています。

——掃除や私物の扱いについて教えてください。

 僕は掃除しなくて、ここを掃除してる寮生がいるんですけど、その人に聞いた方がいいかもしれないです。 なので僕からはなんとも言えない。私物は結構置かれてる感じで、僕は置いてます。でも中には私物は居室に置いてほしいって言ってる人もいます。

——談話室の気に入ってるところや印象的なエピソードがあれば教えてください。

 ベッドですね。ここで寝られるのがちょっと面白みがあって、 一種の隠れ家的な感じがあって僕は好きです。あと、つい最近あったエピソードでいうと、扉の立て付けが悪くて、扉の上の部分が外れて、扉が廊下側に倒れたってことですね。あれはちょっと印象的ですね。

A2 談話室

——普段の談話室の様子を教えてください。

 マットレスやソファーに3、4人ぐらいが寝てて、昼ぐらいからみんな起き始めるのがいつもの風景です。昼寮食を食べてぞろぞろとみんなで談話室に戻ってきて、そこでスマブラをやったりとか人としゃべったりとかしてます。夕方になると、大学から帰ってきた人や昼寝した後の人が集まってきて、大体19時ぐらいから深夜にかけてが、人が集まるピークみたいな感じになっています。休日になると、昼頃から人が集まってきて、アニメとか映画を見る人は見るし、ゲームする人は集まってゲームをしたりとかします。気づいたら夕方になっていて、何人かでご飯行ったり、たまに誰かがご飯を作ったりして、お酒を少し嗜んで、色々と話したりするっていう感じです。

——談話室で決まってるルールがあれば教えてください。

 ほぼ決まってないです。私物を置きっぱなしにする人も結構います。細かな片付けは日常的にやったりするけど、 大掃除やるのは大体2、3ヶ月に1回とかくらいで、床に散乱しているゴミとか普段片付けないようなものを片付けたりするっていうくらいかな。本当にルールと言えるルールって「悪酔いしない」とか「吐いたらその分弁償する」ぐらいしかない気がします。

——家具とか家電をどうやって共有しているのか、設置するときはどうしているのかについてお聞きしたいです。

 例えば、家具を設置する時は、基本的には元気とやる気のある人がやって、一旦お金を負担してから、後で談話室に集まる人が入ってるLINEグループで、カンパが欲しいですっていう風に募るのが一般的かな。ゴミに関しても、誰なのかわかんないものがあったら、同じように談話室のLINEグループで、誰のものですかって聞いて確認することはしています。

——談話室の気に入っている/入らないところはありますか?

 いいところは、いろんな人が集まってくるところかな。性別や回生、ブロックに限らず、あっちこっちからいろんな人が来てくれるし、寮生が寮外の友人とかを連れてきて、泊まったりすることもあります。そういう風な感じの多様性があるところは、 個人的に好きだなって思います。

A3 談話室

——A3談話室の位置付けや使われ方について教えてください。

 基本的にいつでも人いるので、結構活発な談話室なのかなと思ってます。こたつでゴロゴロしてるだけの人もいるし、ゲームしてる人もいるし、音楽をテレビで流してる人もいるし、課題やってる人もいるし、使われ方は本当になんでもあります。僕とかは本当にずっといて、10時間ぐらいいるんですけど、そういう人が何人かいる一方で、週1回来るとか、1日1回夜は来るかなみたいな人とかがいてっていう感じで幅があります。人数については、多い時は10人ぐらいいたりするんですけど、普段は5人ぐらい、少ないときは2人とかです。

——家具とか楽器とか物の扱いについてお聞きしたいです。

 物は誰かが個人的にお金出して買ったりとか、みんなでお金出すことが多いです。特に備品に関してはみんなでお金を出すことがすごく多いです。ただ、漫画はめちゃくちゃいっぱいあるんですけど、個人がみんなに読んでほしい漫画を自費で買ってくる場合が多いです。みんなが読みたい漫画だったらお金を出しあうとかもあります。あとはゲーム機については、Switchは特にいっぱいあって、共用のやつもあるんですけど、個人のものを共用で使う時も多いです。物は結構誰かのものではあるけど、共用で使われてるみたいなのがすごい多い感じで、これは誰のものという意識が薄いものが多いです。

——談話室の気に入っている/入らないところはありますか?

 ソファーですね。ここめっちゃいいですね。寝たりするんですけど。あとこたつも好きです。こたつが好きな人も結構いる印象で、こたつに刺さって課題やったりとかしてる人は多いです。逆に、本棚の前にあったソファーが今なくなってしまって、あそこが今めちゃくちゃ居心地悪いんですよ。あとは、新しく入った座椅子がめっちゃ座り心地よくて人気あるっていう感じですかね。

——談話室の壁画は誰が描いたんですか?

 寮のOPの人が描きました。音楽室にある壁画を描いた人と、確か同じ人です。今ちょっと漫画が増えてきて、本棚新しく置いたんで、ちょっと隠れちゃってるんですけど。

A4 談話室

——談話室がどのくらい使われているのか教えてください。

 談話室を利用する人数は、常に4、5人ぐらいはいるんじゃないかな。談話室に割と来る人は、ブロック40人ちょっとのうち、15、16人ぐらいが利用する感じです。利用頻度は人それぞれで、ずっと寝てたりする人もいるし、課題が終わってここに来るっていう人もいるし、課題をやってる人もいます。

——談話室での暗黙のルールがあればお聞きしたいです。

 昔は上回生の先輩に怖い人がいて、結構ルールが厳しくて、片付けとかブロック会議とかの時間に厳しかったです。ブロック会議に出なかったりすると、なんで出ないの?みたいな感じで、問い詰められたりするみたいなことが昔はありました。今は上回生の人がすごい緩いので、ちょっと散らかったりとかすることもあります。

——談話室で気に入ってるところはありますか?

 最近家具のレベルが上がったような気がします。こたつとかも、こんなにおっきいのなかったし。去年は骨組みが露出したようなソファーもあったんですが、今は大きいソファーが3つほどあって、こたつもあって、ここで生活できるようになりました。寝心地が良くなっちゃって、ここで寝る人が増えましたね。

——談話室の印象的なエピソードはありますか?

 昔、気の強い先輩がいて、その時代は毎日が戦いだ、みたいな感じでした。例えば、ブロック会議が始まる時に、テレビがついてたりするじゃないですか。22時までテレビつけてたら、「はいブロック会議始めるよ、テレビ消して」とか言って仕切り始めるって言ったら言い方悪いですけど。そしたら、別の気の強い寮生とかが、「まだ3分あるやん」バチバチみたいな、すごかったですね、ほんと。レコンキスタみたいに言われてました。他にも、その厳しい先輩が夜頃談話室に来たら、もうみんなパーっていなくなって、誰かの部屋に集まって、なんか会議が開かれる。来たぞ来たぞみたいな、そういうのあったらしいですけど。今は本当にゆるゆるなんで、みんな過ごしやすいんじゃないかなって僕は思っちゃったりしますね。

B12 談話室

——談話室の使われ方について教えてください。

 この談話室を使う人は基本的に、普通におしゃべりするか、楽器を使うか、 全自動雀卓で麻雀するか、スマブラするかの4択なのかなと思います。楽器に関しては、アンプもたくさんあるし、ギターもベースもたくさん置いてあるんで、こたつの周りとかで弾いてる感じです。この部屋は窓についてる冷房と違って、ちゃんとした冷房があるので、夏場になるといろんなブロックから人が集まって、すんごい人がいます。

——楽器を弾くときは何人ぐらいが集まって弾くんですか?

 1人です。練習する時は基本的に1人で弾いて、同時にもう1人が弾いてることもあります。集まって、ここでセッションをしてみたいなことは滅多にないですね。本当にライブ前とか、よくわかんない流れでセッションしだす時はあるけど、滅多にないかな。そもそもこの談話室が、寮の音楽室の上に位置しているので、音楽系の騒音に対して理解のある人を特に集めようとしているというのがあります。人が普通に歌う歌より大きな音量になる楽器の練習は、この談話室ではしないかな。

——家具の扱いや設置の経緯について教えてください。

 すでに手元にある家具をここに置きたいよねって感じで、そのものありきでこの部屋の空間構成を考えることが多い印象です。ここのソファーベッドも、どこかの部屋の人が 一旦置く場所がないからここに置かせてとなったのが、ずっとそのままあるやつなんです。捨てるには惜しくて、いつかまた使いたい、みたいなものの回避のなれの果てみたいな感じです。

——最後に印象的なエピソードがあれば知りたいです。

 階段上がって廊下を進んで、左に曲がったら男子トイレで、右に行ったら談話室ですよね。ある寮生が酔っ払って、その2択を間違えた話があります。そして談話室のテレビにぶっかけた。確率は50パーセントなので、しょうがないです。あとは、ある寮生が50時間ずっとバイオハザードをやった結果、その人より先にプレステ2がぶっ壊れた話もあります。プレステ2の耐久度よりその寮生の耐久度の方が高かったっていう、語り草になっています。

B3 談話室

——談話室の位置づけや使われ方について教えてください。

 談話室っていう空間は、交流する場所っていうよりかは、交流の機会が生まれやすい場所みたいな感じがしています。かたやコンパは話すぞ話すぞみたいな場所だと思うんですけど、談話室は、とりあえず存在することが許されるっていう場所かなと。とりあえずいることができる人が複数人集まるから、会話とか交流の機会が生まれる場所みたいな感じです。だから、酵素みたいな感じかな。人と人との反応を生み出しやすくしてくれる場所みたいな、とりあえず集まれる場所として、談話室っていう場所はあるのかなっていう風に思ってます。

 談話室の利用頻度については、僕はほぼ毎日ここに来てるみたいな感じですね。寮にいる間で、特に、寝るとか風呂行くとかそういうことをする以外は、大体なんとなくここにいます。利用人数とかは、大体15人くらいのメンバーが、それぞれ自分の好きな時間帯にいたりいなかったりみたいな感じかなって思ってます。

——家具などの扱いについて教えてください。

 家具とか物の扱いは非常に雑です。大切なものはなるべくここに置かないようにしてます。確かに共有空間っていう点では、もうちょい物が丁寧に扱われてもいいような気がするけれども、各々が好き勝手に自分の部屋の延長として使ってるからこそ、こういう雑な感じになっているのかもしれないですね。僕はそこが居心地いいと感じているけど、この雑然としてる感じを気に入らないっていう人もどっちもいるなっていう感じですね。そこらへんで今この平衡状態が保たれてるっていう感じな気がします。

——最近のB3で流行っている文化はありますか?

 ちょっと前までベイブレードが流行っていました。ベイブレードは強いパーツがこの汚い談話室の中で神隠しにあって、それで萎えてみんなやめちゃったんですけど。ベイブレードが消えた後は、便利なリモコンが手に入って、みんなで動画見たりとかいう文化がちょっと流行ってたんですけれども、リモコンもどっか行ったんで、まあそれもだんだん落ち着きつつあるって感じですかね。

B4 談話室

——B4談話室で特徴的なものはありますか?

 ビールケースとクーラーボックスが椅子として利用されていることですかね。ビールケースだと、積んで高さの調整ができます。テレビ見る時の高さ調整とかゲームやる時の高さ調整とか、人によって好みがあります。あと、ぬいぐるみがたくさんいます。作業する時に膝に置いて、膝掛け的な扱いを受けています。ぬいぐるみを可愛がる人間が多いですね。綿が残っているぬいぐるみを座布団にするのはマジでやめてほしいです。

——談話室の物の扱いについて教えてください。

 ゲーム機のハードを買うときとかは、みんなで金を募って買うこともありはします。でも基本的には興味ある人が買いたいから買って、置いちゃう感じで、その後に使う人からカンパを募ることが多いかもです。みんなでお金を出し合って買って共用物とするパターンと、逆に、個人で買ってその人の所有物にする代わりに使う人からちょっと安めのカンパをもらうみたいなパターンがある感じですね。

——談話室の気に入っている/入らないところありますか?

 気に入っているのは暖かさ。あと、深夜まで空いてる作業場として有用です。作業音で迷惑になりそうだからって深夜に電話しに来る人がいたりもします。絶対に人がいるから、叩き起こしてほしかったらここで寝ます。自分がサークルで限界だった時に、「今から2時間仮眠を取るので、2時間後に起きていなかった場合叩き起こしてください、どんな手段を使っても構いません」って言ったこともありました。

——談話室に人を呼び込む工夫などあれば教えてください。

 談話室に来やすいようにしようっていう意識があります。とりあえず1回生が入ってきたら談話室に連れ込むとかはやってますね。春先とかは談話室の扉を常に開けておいて、入りやすくするとかはやっています。話せない人間を作らないようにするのは大事。新規入寮の時期に、一緒にご飯に行った流れで談話室に連れてきて、とりあえずボドゲを一緒にやるとかはしますね。こっちから誘ったら、なんだかんだ乗ってくれる子が多くて、その後談話室に定着していってくれたりします。

C12 談話室

——談話室で何をされているか教えてください。

 僕の部屋が談話室の隣の隣なんで、1回部屋に帰る前に談話室に寄ることが多いです。たまにここで寝たりもしますね。利用人数に関しては、夜は大体 3、4人いて、朝は1、2人。休日とかになると逆に減る気がします。平日の方が人が多くて、授業に行ったりとかで出入りがあるからですかね。

——C12談話室でメジャーな文化みたいなものはありますか?

 ひと昔前まではちょっと質素な感じの談話室で、漫画もゲームも雀卓も置きませんみたいな感じだったんですけど、だいぶ時代も変わって、雀卓もあるしswitchもあるし漫画もあるしという感じです。スクリーンで映画を観るのが結構メジャーな文化かな、最近はポーカーが1番流行ってんのかな。

——家具など物の扱いについてお聞きしたいです。

 ハンモックは3回生の子が置きました。飲み会で前あったソファーが潰れちゃって、そのソファー捨てた時にハンモックを追加したんですけど、この春にOPの人からソファーをもらったので、ハンモックが今スクリーンの前に来ています。映画を観る時に使うスピーカーが二つあるんですけど、そのスピーカーにたまにbluetoothで繋げて音楽流してる人がいますね。こたつは全部もともとあって、 ずっとこたつ布団なくて普通の掛け布団みたいのをこたつ布団にしてたんですけど、先輩寮生の友達の人が引っ越すタイミングでこたつ布団をくれて、こたつも充実してきてます。キーボードとかも使ってる人もいますね。ライブ前とかそこで練習してる人もいるし、曲作ってる子とかはそこで色々いじってやってるのを見ます。

——談話室の気に入ってる/入らないところはありますか?

 気に入ってないところはたくさんありますね。すぐ汚れる。 あと配線がごちゃつきすぎてるのが個人的に全然スマートじゃないなと思ってて、今年中になんとかしたいのと、 スクリーンをもっとピンと張りたいとかもあります。逆に好きなところは、他の談話室よりちょっと広めなところですかね。 その割にコンパクトにまとまってて好きですね。スクリーンに映画を映せるとかはここにしかない特徴かなと思っています。

C34 談話室

——談話室での物の扱い方について教えてください。

 一時期こたつにハサミが刺さってました。その机はまだ残ってはいるんですけど、そういう感じで物の扱いは意外と雑です。共用のものは、自分のものじゃないから他人行儀に扱おうじゃなくて、自分のものじゃないからどうなってもいいやみたいな、そういうところがあると思います。漫画は結構取り扱い注意なので、汚れたりしないようにっていうのはみんな気を付けてますが、 家具は適当ですね。家具を設置する時は、寮生の知り合いが使ってたソファーをもらってきて、みたいなものが多いかもしれないです。漫画とかもそうですが、もともと自分のものだったのを共有化するっていうことが起こりがちです。

——談話室の気に入っている/入らないところはありますか?

 僕の定位置が談話室入ってすぐの雀卓の前なんですよ。こたつ机はいつも物置いてあって勉強できないので、大体雀卓の上に物を置いて、 座って勉強したりしてます。 あとはC34談話室の特色の1つで、ボードゲームが多いです。ボドゲが全部雀卓の隣の棚に詰まっていて、そこから取り出して遊べるっていうので、僕は雀卓の前にいることが多いという感じですね。人と遊ぶ時はこたつを使ったりするんですけど、大体1人で遊ぶ時とかは雀卓の上でやります。この談話室は漫画とボドゲの多さはわりかし変わんないところです。人は変わりますし、雰囲気とかも変わりますけど。他には、談話室の雑記帳があるのは結構いいと思います。 僕はやってないですけどtwitterみたいな感じだと思います。

——印象的なエピソードとかはありますか?

 めちゃくちゃ印象的なエピソードがあって、談話室に来た 上回生の人が、この談話室では吐く以外ならなんでもして大丈夫なところなんだよ、って言っていたことです。他人に迷惑かけなければわりかしなんでもしていいみたいな、そういう感じのノリを持って今でも談話室でゴロゴロしてます。談話室なので人と交流しましょうとかあんまりそういう堅苦しいものはないので、 ブロックの談話室ってこういうものなんだっていうのを1番感じた出来事がそれでした。

 

インタビュー:2024/11/10, 12/10, 11 実測:2024/8/22(食堂), 2023/10/29, 30(談話室) インタビュイー(空間利用に関係する寮生):建築のホープさん、庶務部員さん、15 番さん、ハギワラさん、T.N さん、ひろとしさん、PandA さん、もやっしー さん、B4 老人 1 さん、寺さん、うめさん、しまはるさん、後畑さん、アメリカムシクイさん(いずれも仮名) 聞き手・実測調査:井上青葉、榑谷夏香、四十坊広大、山田智也

インタビュイー:建築のホープ

——はじめに建物の基本的な情報について教えてください。

 熊野寮には居室棟が3棟あって、それぞれA棟、B棟、C棟と呼ばれてます。 それに加えて食堂があります。 居室棟はそれぞれ4階建て、食堂は平屋で、全て鉄筋コンクリート造になってます。大学からは自転車で5分ぐらいですかね。一般的には近いという認識になると思います。ただ、なかには遠いと言ってる寮生もいます。

——コミュニティの単位や規模について教えてください。

 先ほど居室棟が3棟あるという話をしたんですけど、大体この寮には400人以上の寮生が住んでいます。大きく見れば、その400人全員が1つのコミュニティということになりますが、細かく見ると、各棟の各フロアごとで、ブロックというコミュニティが計9つできています。ブロックごとで寮の仕事を分担している側面があって、そういった仕事を一緒にやるという繋がりや単純に距離が近いという話もあって、そのブロックの中でコミュニティが形成されるという場合が多いですね。ただ、ブロック以外でも年が近かったりとか、あるいは気に入ってる場所が同じだったりとか、そういうところでコミュニティができたりもしてますね。

——共用部の種類やその大きさについて教えてください。

 食堂が一番大きい共用部なんですけど、食堂は食堂にコミュニティがあるというよりかは、不特定多数の人がいろんな用途で使ったりしています。それから、先ほどブロックの話はしたんですけど、居室棟の各フロアごとに大体1つ談話室という部屋があって、これはブロック共用のリビングみたいなものです。炊事場と洗濯場も各フロアにあって、あとシャワー室が1階にあります。そして音楽室があります。これは熊野寮として結構自慢できる空間かなと思います。寮のお金で音楽の機材とかドラムとかを管理してて、 そこは寮生寮外生問わず無料で貸し出しています。音楽を中心に広がってるコミュニティもあって、そういう人たちで大体2ヶ月に1回ぐらい寮内ライブをしたりしてます。音楽のコミュニティは結構広くて、寮外とも連携して狂奏祭っていう音楽イベントをやったりもするんですけど、そういう音楽室周りのコミュニティが結構強く働いてるなという印象はありますね。

——建物周りの中庭とか駐輪場とかがどういう風に使われているのか知りたいです。

 中庭はすごい汚いんですけど、先日の話をすると、中庭に七輪と畳を出して、みんなでナスサンマコンパをやりました。100人ぐらいで集まって、ナスとか季節の野菜とかと一緒にサンマを焼いて食べました。そういうみんなでご飯を食べて話すというような会をやったりとか、中庭でタテカンを書いたりすることもありますね。駐輪場については、基本的に自転車だらけなんですけど、「くまのまつり」っていうお祭りを年に数回開いていて、そのときは自転車を全部どかしてお祭りの会場にします。先ほど話した狂奏祭のときも同じ感じです。

——地域の人に熊野寮を開いていくような取り組みについて教えてください。

 まず、なぜ地域の人に熊野寮を開かなければいけないのかというと、熊野寮だけに自治が残っていれば良いという考えでは社会から孤立してしまうし、寮の存在意義というものも語れないからです。熊野寮の自治を守るということを主張していくためには、それが社会の中でどう意味を持てるかというものを説明していかなきゃいけないという、そういう意味で地域の人に開こうという取り組みがなされているということは説明させていただきます。その上で、どのような取り組みがやっているのかについて話すと、1つ大きなものは、年に3回「くまのまつり」というお祭りがあって、地域のお店に出店してもらったりとか、あるいは地域で活動している出演者の皆さんにステージで音楽とかいろんなものを披露してもらったりしています。そういう寮生と地域の人と一緒に作っていくお祭りというものをやっています。いつも2日間で2000人ぐらい来てくれて、そこで熊野寮の置かれてる状況だったりとか、自治の重要性というものを地域の人に語る場として取り組んでいますね。他にも、熊野寮生が地域の町内会長と協力してKUMANという無料塾をやっています。週に1回、熊野寮がある川東地区の集会所で、寮生が地域の子どもたちを呼んで、勉強を教えたりとか、遊んでいるだけの日もあるんですけど、それも全部無料で子供たちの面倒を見るという会を行っています。そういった感じで、地域に開いていこうという取り組みは行っていますね。

——次に、寮生の生活についてお聞きしたいです。

 これは本当に人それぞれで、400人もいれば生活の仕方は色々ありますね。ちゃんと大学に行って、大学の授業を軸に据えて生活している人もいれば、寮での活動にかなり力を注いでいる人もいるし、特に何もやらずに談話室でずっとゲームをやって昼夜逆転してるような輩もいます。談話室で人と喋ったりとか、食堂で人と喋ったりとかっていうので、夜な夜な夜更かししてる人もいますし、人と喋りつつも普通に大学に行ってる人もいる。僕の肌感では寮外生よりも寮生の方が留年したりとかで、のんびり大学生活を送ってる人が多い印象ですね。 食事に関して言えば、熊野寮では寮食が出ます。食堂に隣接して厨房があって、そこで栄養士さんが考えた、ちゃんと栄養のあるメニューが朝昼晩と提供されます。授業期間の平日にしか寮食はないんですけど、その期間は多くの寮生が寮食を食べるので、栄養とかには困らないとは思います。

 寮生活はいいところ悪いところ色々あると思うんですけど、やっぱり常に人がいるというのは1ついいところではあるのかなとは思っています。話し相手にも遊び相手にも困らないし、それで夜更かしとかもしてしまうところはあるんですけど、やっぱり結構辛いことだったりとか悩みを抱えた時にも、そばに話し相手がいるというのは結構心強いなとは思ってます。逆に悪いところとしても人がいるというのはあるわけで、1人になりづらいというのはあるかなとは思いますね。

 あと熊野寮は自分たちで管理運営をしている自治寮ではあるので、 そういう空間でしか味わえない空気感というものが結構あると思います。なかなか言葉で言うのは難しいんですけど、 ベースとして自分たちでちゃんと話し合って意思決定をするということがされてきた空間で過ごすというのは、 空気感として解放的なものはあると思いますし、そういったものが居心地の良さにも繋がってるなとも思います。自治寮だからこそ、社会に目を向けた時に、おかしいと思うことに関してはちゃんとおかしいという風に言えて、みんなで話し合って、自分たちで社会の問題を捉えて、それを踏まえて今の熊野寮がどうあるべきかというものを自分たちで決められるというのはすごい魅力かなという風に思います。わかりやすい例で言えば、例えば差別問題というのは熊野寮の外ではすごい横行してる問題だと思うんですけど、そういったものに反対して、全員が住み心地の良い環境を目指して、自分たちで話し合って対策を取れるというのはいいところかなという風に思います。当然まだまだ不十分な点はあると思いますが、そこはすごく気に入っていますね。

——自治会の構造や意思決定プロセスについて、自治会の権限や大学との関係なども含めてお聞きしたいです。

 法律上の施設管理権が大学当局にあるというのは確かなんですけど、熊野寮自治会が自分たちで熊野寮を運営する自治というものは、大学当局と熊野遼自治会との確約によって明確に約束されて来ました。例えば入退寮選考権、 つまり誰を入寮させて誰を退寮させるかという権限は、大学当局ではなく熊野自治会が今持っています。あとはトイレが壊れたりとか水道が壊れたりとかということが結構起こるんですけど、そういったことも自治会がきちんと把握して、大学の厚生課という寮担当の部署に要求しに行くといったこともしています。

 ただ、確約が一方的に破棄されてるような現状が今あり、 そこは熊野寮自治会として当然不当だと考えています。過去に、副学長が変わった段階で、 あれは前の副学長がサインしたものだからという理由で確約を破棄した副学長がいて、それ以来、大学当局は確約を認めていないという風に主張している状況にあります。そもそも組織間の確約であって、副学長が入れ替わったら確約が破棄されるということは当然ないわけなんです。ただ、確約によって熊野寮の自治が約束されているというわけでは当然ないわけで、そもそも自治というのは法律の上ではあまり明文化されていないものなんです。つまり、寮生たちのこの場所での自治の実践というのが、先ほど言ったような自治会の力の強さというものを守っているという風に思っています。

 実際どういう風に自治会が組織として意思決定をしてるかというところは、先ほど言ったような大学との関係の都合上であまりはっきりとは言えないんですけど、寮生全員がきちんと組織の意思決定に参画できて、みんなが責任を持てるような意思決定のプロセスが、寮の中で確立しているということは伝えておきます。

——最後に熊野寮からアピールやメッセージをお願いします。

 熊野寮がやばい場所だという風に、しばしばささやかれてると思います。当然、機動隊が来るニュースを目にしたこともあると思いますし、他にも過激派の拠点だとかいう風に言われることって結構あると思うんです。ただ、やばいとかやばくないとかそういったレベルの話ではなく、いろんな考えを持った人が同じ空間に住んでいられることに、僕たちは価値を感じているということは伝えておきたいです。思想で入寮する人を差別しないといったことを実践しながら、自分たちで運営しているという、そういったものが生む豊かさというものに注目いただけたらなという風に思っています。

食堂

インタビュイー:庶務部員


——食堂の位置づけや使われ方について教えてください。

 位置付けは、寮の食事場所、兼多目的スペースだと思います。朝・昼・夜の3食の寮食の食べる場所がまず前提としてあって、それ以外でも同時に勉強してる人だったり、 知的な集まりだったり、あとビデオ通話とかゲームとか、自由に出たり入ったり可能で、人が集まってくる場所だと思います。私が使う時は、朝・昼・夜の3食の時間が多くて、どれくらいいてもいいので、10分ぐらいでぱっと食べて出て行くときもあるし、人と楽しく喋って、3時間ぐらい座っている時もありますね。あと、課題が切羽詰まってる時とか試験期間とかは、深夜に徹夜ぐらいな感じで、パソコンを持ち込んで、勉強や作業をしたりします。他には、部会・委員会で、曜日ごとに各部会が夜集まってたりします。中央のモニターとその周辺の机とかで、毎回何十人かが集まって話し合いとかをしてます。あとは食堂の北側に区切られてるスペースがあって、食北って呼ばれています。ここでは主に歓談が行われています。食事だったり、麻雀だったり、置かれてるパチンコスロットだったりをやっている感じです。あと何人か毎日寝てる人もいるような感じです。私もふらっと立ち寄って座ってみたいな感じで使っています。

——食堂と食北の違いは何ですか?

 そうですね、違いとしては、食堂の方で部会・委員会が行われていることもあって、よりオフィシャルな感じもあり、あと結構流動的にいろんな人たちがいる気がします。食北の方がもう少し人が固定化されてるのと、よりゆるっとした感じでのんびりできる。あと、普段食堂と食北は空間的につながっていますが、いろんなイベントごとや大会ごとの時には、食堂と食北の間のカーテンを締め切って、完全に2区画として分けて使うこともできます。

——この食堂でのルールとか、家具とかがどういう風に使われているのかをお聞きしたいです。

 明文化されたルールはありませんが、暗黙の使われ方として、1つは机の分かれ方があると思います。 寮にはブロックといって、居住区で40人単位ぐらい分かれているんですけど、食堂の机の列ごとに、この机の列はこのブロックみたいな場所がなんとなくあったりします。部会・委員会の時は、モニター周辺とその周りにその部会・委員会に参加する人が優先的に座るっていうのもあるかな。あと食堂の北東の端で、食北に1番近い机は食北民によって植民地化がなされているので、食北メンツが寮食を食べてることが多いですね。

——イベントなどで、食堂が日常とは違う使われ方をする時の話を教えてください。

 大きなイベントでいうと、狂奏祭っていうお祭りがあります。このときは食堂全体がクラブディスコみたいな感じになって、机を全部どかして、天井にはミラーボールと電飾をつるして、食堂が祇園みたいな空間になっていて面白かったです。それで人もぎゅうぎゅうになると熱気もすごくて、人の汗で空間が真っ白に、みたいな感じになってました。 あと、寮祭期間中は食堂の中でいろんな企画が同時並行で行われていたりとか。食北はライブ空間としても使われます。空間自体にステージとか楽器とかアンプとかを持ち込んでライブを開く感じです。他には、コンパっていう食べたり喋ったりする会が不定期であるんですけど、その時は机を全部はけて、床全面に畳を敷いて、みんなで鍋囲んだりしながら交流してますね。食堂はいろんな使われ方があって、見た目も変わるし、雰囲気も変わるしという感じで、結構楽しいところです。

——食堂の気に入ってる/気に入らないところはありますか?

 気に入ってるところは、雑多なところと人の流動性ですかね。 とにかくなんかよくわからないものもいっぱい置いてあって、ぬいぐるみの生首とか、誰かの古い服とか、ヘルメットとか色々置いてあったりして、それだけで楽しいです。人も基本的に出入り自由な場所なので、自分もどんな過ごし方してもいいし、いつふらっと来てもいいみたいなのが、全寮に開かれてる場としても、1人で過ごす場としても、楽しいなって思います。あと全体的に開けてて、あんまり仕切りとかがないので、いろんな人の顔が一気に見渡せるのもいいなって思いますね。改善希望の点としては、レンジが2台しかないので、喫食時間中に並ぶこととかが多いのが難点です。あとモニターの正面側に柱があるので、ちょっとモニターが見えづらいこととかもちょっと困りますね。でも今更この柱削れないんで、仕方ないですね。面白いなと思うのは、天井のカスタマイズ性で、たまにミラーボールが突然入ったりすると楽しいですね。天井に学生証を打ちつけてる人とかがいたり、天井からおっきなスケジュールの垂れ幕みたいなのが吊るされていたりと。いろいろ言いましたけど、ブロック問わずいろんな人が来れるし、なんなら寮外生の一般の人も来れるし、みたいな感じで、食べる場所としてもそれ以外の場所としてもすごい好きな場所なんです。

 

A1 談話室

——談話室がA1の中でどういう風に使われているのかを、利用頻度や利用人数を含めて教えてほしいです。

 まず利用人数について。最近はOPの人も来るので少し多いですが、昼間は5、6人で、昼下がりの時間は3、4人で、夜になると多い時で10人、少ない時で昼間と同じ人数くらいいますね。利用頻度は人によってまちまちで、 この部屋で寝るぐらい利用頻度が高い人もいれば、寮にいる時間の半分ぐらいしか談話室に来ない人もいるので、利用頻度については特に定まったことは言えないです。使われ方としては、ベッドが4つあるので睡眠ができます。あとは麻雀とかドミニオンのようなボードゲーム、ダンガンロンパやスプラトゥーンのようなテレビゲーム、あとアニメ・映画鑑賞などに使われますね。談話を目的として来る人も一定数いるんじゃないかなって思うんですけど、僕は違います。僕は麻雀とドミニオンが好きなので、それをするためにここにいて、誰もいない時はここで勉強をしています。

——掃除や私物の扱いについて教えてください。

 僕は掃除しなくて、ここを掃除してる寮生がいるんですけど、その人に聞いた方がいいかもしれないです。 なので僕からはなんとも言えない。私物は結構置かれてる感じで、僕は置いてます。でも中には私物は居室に置いてほしいって言ってる人もいます。

——談話室の気に入ってるところや印象的なエピソードがあれば教えてください。

 ベッドですね。ここで寝られるのがちょっと面白みがあって、 一種の隠れ家的な感じがあって僕は好きです。あと、つい最近あったエピソードでいうと、扉の立て付けが悪くて、扉の上の部分が外れて、扉が廊下側に倒れたってことですね。あれはちょっと印象的ですね。

A2 談話室

——普段の談話室の様子を教えてください。

 マットレスやソファーに3、4人ぐらいが寝てて、昼ぐらいからみんな起き始めるのがいつもの風景です。昼寮食を食べてぞろぞろとみんなで談話室に戻ってきて、そこでスマブラをやったりとか人としゃべったりとかしてます。夕方になると、大学から帰ってきた人や昼寝した後の人が集まってきて、大体19時ぐらいから深夜にかけてが、人が集まるピークみたいな感じになっています。休日になると、昼頃から人が集まってきて、アニメとか映画を見る人は見るし、ゲームする人は集まってゲームをしたりとかします。気づいたら夕方になっていて、何人かでご飯行ったり、たまに誰かがご飯を作ったりして、お酒を少し嗜んで、色々と話したりするっていう感じです。

——談話室で決まってるルールがあれば教えてください。

 ほぼ決まってないです。私物を置きっぱなしにする人も結構います。細かな片付けは日常的にやったりするけど、 大掃除やるのは大体2、3ヶ月に1回とかくらいで、床に散乱しているゴミとか普段片付けないようなものを片付けたりするっていうくらいかな。本当にルールと言えるルールって「悪酔いしない」とか「吐いたらその分弁償する」ぐらいしかない気がします。

——家具とか家電をどうやって共有しているのか、設置するときはどうしているのかについてお聞きしたいです。

 例えば、家具を設置する時は、基本的には元気とやる気のある人がやって、一旦お金を負担してから、後で談話室に集まる人が入ってるLINEグループで、カンパが欲しいですっていう風に募るのが一般的かな。ゴミに関しても、誰なのかわかんないものがあったら、同じように談話室のLINEグループで、誰のものですかって聞いて確認することはしています。

——談話室の気に入っている/入らないところはありますか?

 いいところは、いろんな人が集まってくるところかな。性別や回生、ブロックに限らず、あっちこっちからいろんな人が来てくれるし、寮生が寮外の友人とかを連れてきて、泊まったりすることもあります。そういう風な感じの多様性があるところは、 個人的に好きだなって思います。

A3 談話室

——A3談話室の位置付けや使われ方について教えてください。

 基本的にいつでも人いるので、結構活発な談話室なのかなと思ってます。こたつでゴロゴロしてるだけの人もいるし、ゲームしてる人もいるし、音楽をテレビで流してる人もいるし、課題やってる人もいるし、使われ方は本当になんでもあります。僕とかは本当にずっといて、10時間ぐらいいるんですけど、そういう人が何人かいる一方で、週1回来るとか、1日1回夜は来るかなみたいな人とかがいてっていう感じで幅があります。人数については、多い時は10人ぐらいいたりするんですけど、普段は5人ぐらい、少ないときは2人とかです。

——家具とか楽器とか物の扱いについてお聞きしたいです。

 物は誰かが個人的にお金出して買ったりとか、みんなでお金出すことが多いです。特に備品に関してはみんなでお金を出すことがすごく多いです。ただ、漫画はめちゃくちゃいっぱいあるんですけど、個人がみんなに読んでほしい漫画を自費で買ってくる場合が多いです。みんなが読みたい漫画だったらお金を出しあうとかもあります。あとはゲーム機については、Switchは特にいっぱいあって、共用のやつもあるんですけど、個人のものを共用で使う時も多いです。物は結構誰かのものではあるけど、共用で使われてるみたいなのがすごい多い感じで、これは誰のものという意識が薄いものが多いです。

——談話室の気に入っている/入らないところはありますか?

 ソファーですね。ここめっちゃいいですね。寝たりするんですけど。あとこたつも好きです。こたつが好きな人も結構いる印象で、こたつに刺さって課題やったりとかしてる人は多いです。逆に、本棚の前にあったソファーが今なくなってしまって、あそこが今めちゃくちゃ居心地悪いんですよ。あとは、新しく入った座椅子がめっちゃ座り心地よくて人気あるっていう感じですかね。

——談話室の壁画は誰が描いたんですか?

 寮のOPの人が描きました。音楽室にある壁画を描いた人と、確か同じ人です。今ちょっと漫画が増えてきて、本棚新しく置いたんで、ちょっと隠れちゃってるんですけど。

A4 談話室

——談話室がどのくらい使われているのか教えてください。

 談話室を利用する人数は、常に4、5人ぐらいはいるんじゃないかな。談話室に割と来る人は、ブロック40人ちょっとのうち、15、16人ぐらいが利用する感じです。利用頻度は人それぞれで、ずっと寝てたりする人もいるし、課題が終わってここに来るっていう人もいるし、課題をやってる人もいます。

——談話室での暗黙のルールがあればお聞きしたいです。

 昔は上回生の先輩に怖い人がいて、結構ルールが厳しくて、片付けとかブロック会議とかの時間に厳しかったです。ブロック会議に出なかったりすると、なんで出ないの?みたいな感じで、問い詰められたりするみたいなことが昔はありました。今は上回生の人がすごい緩いので、ちょっと散らかったりとかすることもあります。

——談話室で気に入ってるところはありますか?

 最近家具のレベルが上がったような気がします。こたつとかも、こんなにおっきいのなかったし。去年は骨組みが露出したようなソファーもあったんですが、今は大きいソファーが3つほどあって、こたつもあって、ここで生活できるようになりました。寝心地が良くなっちゃって、ここで寝る人が増えましたね。

——談話室の印象的なエピソードはありますか?

 昔、気の強い先輩がいて、その時代は毎日が戦いだ、みたいな感じでした。例えば、ブロック会議が始まる時に、テレビがついてたりするじゃないですか。22時までテレビつけてたら、「はいブロック会議始めるよ、テレビ消して」とか言って仕切り始めるって言ったら言い方悪いですけど。そしたら、別の気の強い寮生とかが、「まだ3分あるやん」バチバチみたいな、すごかったですね、ほんと。レコンキスタみたいに言われてました。他にも、その厳しい先輩が夜頃談話室に来たら、もうみんなパーっていなくなって、誰かの部屋に集まって、なんか会議が開かれる。来たぞ来たぞみたいな、そういうのあったらしいですけど。今は本当にゆるゆるなんで、みんな過ごしやすいんじゃないかなって僕は思っちゃったりしますね。

B12 談話室

——談話室の使われ方について教えてください。

 この談話室を使う人は基本的に、普通におしゃべりするか、楽器を使うか、 全自動雀卓で麻雀するか、スマブラするかの4択なのかなと思います。楽器に関しては、アンプもたくさんあるし、ギターもベースもたくさん置いてあるんで、こたつの周りとかで弾いてる感じです。この部屋は窓についてる冷房と違って、ちゃんとした冷房があるので、夏場になるといろんなブロックから人が集まって、すんごい人がいます。

——楽器を弾くときは何人ぐらいが集まって弾くんですか?

 1人です。練習する時は基本的に1人で弾いて、同時にもう1人が弾いてることもあります。集まって、ここでセッションをしてみたいなことは滅多にないですね。本当にライブ前とか、よくわかんない流れでセッションしだす時はあるけど、滅多にないかな。そもそもこの談話室が、寮の音楽室の上に位置しているので、音楽系の騒音に対して理解のある人を特に集めようとしているというのがあります。人が普通に歌う歌より大きな音量になる楽器の練習は、この談話室ではしないかな。

——家具の扱いや設置の経緯について教えてください。

 すでに手元にある家具をここに置きたいよねって感じで、そのものありきでこの部屋の空間構成を考えることが多い印象です。ここのソファーベッドも、どこかの部屋の人が 一旦置く場所がないからここに置かせてとなったのが、ずっとそのままあるやつなんです。捨てるには惜しくて、いつかまた使いたい、みたいなものの回避のなれの果てみたいな感じです。

——最後に印象的なエピソードがあれば知りたいです。

 階段上がって廊下を進んで、左に曲がったら男子トイレで、右に行ったら談話室ですよね。ある寮生が酔っ払って、その2択を間違えた話があります。そして談話室のテレビにぶっかけた。確率は50パーセントなので、しょうがないです。あとは、ある寮生が50時間ずっとバイオハザードをやった結果、その人より先にプレステ2がぶっ壊れた話もあります。プレステ2の耐久度よりその寮生の耐久度の方が高かったっていう、語り草になっています。

B3 談話室

——談話室の位置づけや使われ方について教えてください。

 談話室っていう空間は、交流する場所っていうよりかは、交流の機会が生まれやすい場所みたいな感じがしています。かたやコンパは話すぞ話すぞみたいな場所だと思うんですけど、談話室は、とりあえず存在することが許されるっていう場所かなと。とりあえずいることができる人が複数人集まるから、会話とか交流の機会が生まれる場所みたいな感じです。だから、酵素みたいな感じかな。人と人との反応を生み出しやすくしてくれる場所みたいな、とりあえず集まれる場所として、談話室っていう場所はあるのかなっていう風に思ってます。

 談話室の利用頻度については、僕はほぼ毎日ここに来てるみたいな感じですね。寮にいる間で、特に、寝るとか風呂行くとかそういうことをする以外は、大体なんとなくここにいます。利用人数とかは、大体15人くらいのメンバーが、それぞれ自分の好きな時間帯にいたりいなかったりみたいな感じかなって思ってます。

——家具などの扱いについて教えてください。

 家具とか物の扱いは非常に雑です。大切なものはなるべくここに置かないようにしてます。確かに共有空間っていう点では、もうちょい物が丁寧に扱われてもいいような気がするけれども、各々が好き勝手に自分の部屋の延長として使ってるからこそ、こういう雑な感じになっているのかもしれないですね。僕はそこが居心地いいと感じているけど、この雑然としてる感じを気に入らないっていう人もどっちもいるなっていう感じですね。そこらへんで今この平衡状態が保たれてるっていう感じな気がします。

——最近のB3で流行っている文化はありますか?

 ちょっと前までベイブレードが流行っていました。ベイブレードは強いパーツがこの汚い談話室の中で神隠しにあって、それで萎えてみんなやめちゃったんですけど。ベイブレードが消えた後は、便利なリモコンが手に入って、みんなで動画見たりとかいう文化がちょっと流行ってたんですけれども、リモコンもどっか行ったんで、まあそれもだんだん落ち着きつつあるって感じですかね。

B4 談話室

——B4談話室で特徴的なものはありますか?

 ビールケースとクーラーボックスが椅子として利用されていることですかね。ビールケースだと、積んで高さの調整ができます。テレビ見る時の高さ調整とかゲームやる時の高さ調整とか、人によって好みがあります。あと、ぬいぐるみがたくさんいます。作業する時に膝に置いて、膝掛け的な扱いを受けています。ぬいぐるみを可愛がる人間が多いですね。綿が残っているぬいぐるみを座布団にするのはマジでやめてほしいです。

——談話室の物の扱いについて教えてください。

 ゲーム機のハードを買うときとかは、みんなで金を募って買うこともありはします。でも基本的には興味ある人が買いたいから買って、置いちゃう感じで、その後に使う人からカンパを募ることが多いかもです。みんなでお金を出し合って買って共用物とするパターンと、逆に、個人で買ってその人の所有物にする代わりに使う人からちょっと安めのカンパをもらうみたいなパターンがある感じですね。

——談話室の気に入っている/入らないところありますか?

 気に入っているのは暖かさ。あと、深夜まで空いてる作業場として有用です。作業音で迷惑になりそうだからって深夜に電話しに来る人がいたりもします。絶対に人がいるから、叩き起こしてほしかったらここで寝ます。自分がサークルで限界だった時に、「今から2時間仮眠を取るので、2時間後に起きていなかった場合叩き起こしてください、どんな手段を使っても構いません」って言ったこともありました。

——談話室に人を呼び込む工夫などあれば教えてください。

 談話室に来やすいようにしようっていう意識があります。とりあえず1回生が入ってきたら談話室に連れ込むとかはやってますね。春先とかは談話室の扉を常に開けておいて、入りやすくするとかはやっています。話せない人間を作らないようにするのは大事。新規入寮の時期に、一緒にご飯に行った流れで談話室に連れてきて、とりあえずボドゲを一緒にやるとかはしますね。こっちから誘ったら、なんだかんだ乗ってくれる子が多くて、その後談話室に定着していってくれたりします。

C12 談話室

——談話室で何をされているか教えてください。

 僕の部屋が談話室の隣の隣なんで、1回部屋に帰る前に談話室に寄ることが多いです。たまにここで寝たりもしますね。利用人数に関しては、夜は大体 3、4人いて、朝は1、2人。休日とかになると逆に減る気がします。平日の方が人が多くて、授業に行ったりとかで出入りがあるからですかね。

——C12談話室でメジャーな文化みたいなものはありますか?

 ひと昔前まではちょっと質素な感じの談話室で、漫画もゲームも雀卓も置きませんみたいな感じだったんですけど、だいぶ時代も変わって、雀卓もあるしswitchもあるし漫画もあるしという感じです。スクリーンで映画を観るのが結構メジャーな文化かな、最近はポーカーが1番流行ってんのかな。

——家具など物の扱いについてお聞きしたいです。

 ハンモックは3回生の子が置きました。飲み会で前あったソファーが潰れちゃって、そのソファー捨てた時にハンモックを追加したんですけど、この春にOPの人からソファーをもらったので、ハンモックが今スクリーンの前に来ています。映画を観る時に使うスピーカーが二つあるんですけど、そのスピーカーにたまにbluetoothで繋げて音楽流してる人がいますね。こたつは全部もともとあって、 ずっとこたつ布団なくて普通の掛け布団みたいのをこたつ布団にしてたんですけど、先輩寮生の友達の人が引っ越すタイミングでこたつ布団をくれて、こたつも充実してきてます。キーボードとかも使ってる人もいますね。ライブ前とかそこで練習してる人もいるし、曲作ってる子とかはそこで色々いじってやってるのを見ます。

——談話室の気に入ってる/入らないところはありますか?

 気に入ってないところはたくさんありますね。すぐ汚れる。 あと配線がごちゃつきすぎてるのが個人的に全然スマートじゃないなと思ってて、今年中になんとかしたいのと、 スクリーンをもっとピンと張りたいとかもあります。逆に好きなところは、他の談話室よりちょっと広めなところですかね。 その割にコンパクトにまとまってて好きですね。スクリーンに映画を映せるとかはここにしかない特徴かなと思っています。

C34 談話室

——談話室での物の扱い方について教えてください。

 一時期こたつにハサミが刺さってました。その机はまだ残ってはいるんですけど、そういう感じで物の扱いは意外と雑です。共用のものは、自分のものじゃないから他人行儀に扱おうじゃなくて、自分のものじゃないからどうなってもいいやみたいな、そういうところがあると思います。漫画は結構取り扱い注意なので、汚れたりしないようにっていうのはみんな気を付けてますが、 家具は適当ですね。家具を設置する時は、寮生の知り合いが使ってたソファーをもらってきて、みたいなものが多いかもしれないです。漫画とかもそうですが、もともと自分のものだったのを共有化するっていうことが起こりがちです。

——談話室の気に入っている/入らないところはありますか?

 僕の定位置が談話室入ってすぐの雀卓の前なんですよ。こたつ机はいつも物置いてあって勉強できないので、大体雀卓の上に物を置いて、 座って勉強したりしてます。 あとはC34談話室の特色の1つで、ボードゲームが多いです。ボドゲが全部雀卓の隣の棚に詰まっていて、そこから取り出して遊べるっていうので、僕は雀卓の前にいることが多いという感じですね。人と遊ぶ時はこたつを使ったりするんですけど、大体1人で遊ぶ時とかは雀卓の上でやります。この談話室は漫画とボドゲの多さはわりかし変わんないところです。人は変わりますし、雰囲気とかも変わりますけど。他には、談話室の雑記帳があるのは結構いいと思います。 僕はやってないですけどtwitterみたいな感じだと思います。

——印象的なエピソードとかはありますか?

 めちゃくちゃ印象的なエピソードがあって、談話室に来た 上回生の人が、この談話室では吐く以外ならなんでもして大丈夫なところなんだよ、って言っていたことです。他人に迷惑かけなければわりかしなんでもしていいみたいな、そういう感じのノリを持って今でも談話室でゴロゴロしてます。談話室なので人と交流しましょうとかあんまりそういう堅苦しいものはないので、 ブロックの談話室ってこういうものなんだっていうのを1番感じた出来事がそれでした。

 

関連記事一覧