【田路研究室】​建築論の探求と建築設計の実践

シン・マスダ住宅

修士課程二年生 鈴木友也

修士課程一年生 幸地良篤

このプロジェクトは、「増田友也が設計したような住宅を現代風にアレンジして新築したい」という依頼のもと、研究室で取り組んだ住宅設計プロジェクトである。

プロジェクトの開始にあたって、まず増田友也の住宅作品を分析した。

分析に用いたのは『増田友也自邸』(1952)、『古川邸』(1956)、『Sさんの家』(1962)、『衣笠山の家』(1964)の4作品。

それぞれの作品の建築構造・平面構成・デザイン言語を抽出し、下のようにまとめた。

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1 条件

敷地は京都市内に位置する典型的な長屋形式、まさにうなぎの寝床といえる。その敷地で、生活電力全てを太陽光発電で賄う暮らしが求められた。

2 要素の選択

左ページの増田友也分析から要素を選択した。構造を「RCラーメン構造」、平面構成を「中央動線型」とし、デザイン言語として、「ルーバー」「欄間」「ピロティ」「シースルー階段」を選択して、設計した。

3 居場所としての大きな階段

選択した要素に加えて、条件から生まれた高さ10mの特徴的な屋根から、その下に多様な居場所をつくることを考えた。また、階段をもう一つの部屋として捉えいろいろな居場所を大きく緩くつなぐことを考えた。

【参考文献】

1)1・10. 「増田友也氏邸」,『建築と社会』1954年11月号,p20,日本建築協会 

2)2.「衣笠山の家」,『新建築』1964年4月号,p122,新建築社 

3)3. 増田友也建築設計資料,京都大学工学研究科建築学専攻所蔵 

4)4.「銀閣寺に近い丘の家」,『小住宅と住まい方百科』,p173,主婦の友社,1964 

5)5.「建部邸」,『新住宅』,9(5),p142,新住宅社,1954 

6)6・7・11.研究室撮影 

7)8.「衣笠山の家」,『新建築』1964年4月号,p119,新建築社 

8)9.「衣笠山の家」,『新建築』1964年4月号,p118-119,新建築社 

9)12.「衣笠山の家」,『新建築』1964年4月号,p121,新建築社

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