STUDIO2015
岸スタジオ「歴史と接続する建築」
建築や都市には、それぞれに光と闇を内包した歴史がある。われわれがこれから新たに構築する建築物は、そうした歴史にどのように対峙し、継承してゆくことができるのだろうか。 本課題では新しい時代の流れの中にその立ち位置を見いだそうとしている都市である奈良、その唐招提寺に計画するミュージアムの課題を通して、このことを問うてみたい。
「カスパー・ダーヴィト・フリードリヒのための美術館」天野直紀|岸研究室
門内スタジオ「都市と建築」
21世紀を迎えて、大量生産・大量消費を基調としたデザインが行き詰まり、環境や社会の制約条件を考慮して幅広い要求を質的に満足するデザインへの転換が求められている。そこでは、デザインを「人間と環境との関係に変化をもたらす」営みとして理解し、個々の人工物のデザインにとどまらず、人口相互の関係や人工物と環境・人間との関係に配慮することにより、豊かな環境・社会システムをデザインすることが求められている。 都市の中の建築は、他の人工物や人間・環境とのネットワークを形成する結節点として存在する。このスタジオでは、「都市と建築」のダイナミックな関係に焦点を結び、 京都という都市をフィールドとして、ミクロな建築レベルの環境のデザインを通して、マクロな都市レベルの環境をデザインする可能性を探求する。具体的には、歴史都市・京都の都市空間に「魅力的な場所と風景を創発する新しいタイプの建築(の集合)」を提案する。
「URANIWA PARK PACOPACO」竹内萌|門内研究室
田路スタジオ「居住の場を再編する」
<居住>は都市を都市たらしめる本質的な機能のひとつである。20世紀の近代都市では機能分化 が進められ、ビジネスセンター、商業センターなど人が住まない地域が生み出される一方で、家だけが建ち並ぶ住宅街が形成されてきた。しかし高齢化人口減少時代に入り、空き家、空き室が増え、 地域の活力が失われつつある。また、親子4人家族という標準的とされた家族のカタチも大きく多様化している。はたして2050年、人々はどのように暮らしているだろうか。居住のための「都市のカタチ」を提案してほしい。