
【荒木研究室】traverse25 Project
次世代形状記憶合金の開発と建築物の耐震レジリエンス向上への応用展開
教授 荒木 慶一
1. はじめに
1995 年兵庫県南部地震、2011 年東北地方太平洋沖地震、 2016 年熊本地震など、全国各地で震度 7 の極めて強い揺れの 地震が発生している。特に 2016 年熊本地震では震度 7 の揺れが立て続けに 2 回発生した。最初の強い揺れで耐震性が低下したところに続けて強い揺れがくることで多くの建物が大きな被害を被った。これらの地震では、倒壊しなかったものの損傷や地震後の傾きが著しく建物の復旧に多大な時間を要する例や、修復が困難で壊される例が多くみられた。これらの経験を 経て、震度 7 の地震が繰返し起きても損傷や残留変形が残らず、 地震後も機能を維持して直ぐに利用できる建物を実現するため の研究開発が重要な社会的要請となっている。 大変形を与えても荷重を除くとすぐに(加熱することなく) 元の形に戻る(図 -1)ように特性を制御した形状記憶合金(以下、超弾性形状記憶合金)を建物の変形が集中する部位に適用 することで梁や柱などの本体構造の損傷を回避し、大地震後の機能維持や超早期復旧を可能にする研究が国際的に活発化している [1]。超弾性形状記憶合金を建物の変形が集中する部位に適用すれば、1応力-ひずみ関係が描く履歴により振動エネルギーを吸収して最大変形を抑制する機能、2変形回復により地震後の残留変形を抑制する機能、3大変形時に応力がほぼ一定となることで部材間の力の伝達を抑制し建物本体を保護する機能が付与され、熊本地震のように強い揺れが繰り返し来ても建 物本体に変形や損傷が残らず、地震後の機能維持や早期復旧を実現することが可能になる。 このような魅力的な機能にもかかわらず、超弾性形状記憶合金を実用建物の耐震性向上に応用した事例は米国の高速道路橋の試験プロジェクトのみである。普及を妨げる大きな理由は、十分な性能と実用的なコストをあわせ持つ超弾性形状記憶合金が存在しないことにある。現在、唯一、実用化されているNi-Ti 合金(ニッケル(Ni)とチタン(Ti)が主成分の合金) は原材料のコストが高い上、径が10mm を超える大径材で良好な変形回復性能を実現するのが難しく、接合に要するねじ切りなどの加工コストが高いという問題を持つ。米国では鉄筋コ ンクリート橋脚の一部の補強鋼材をNi-Ti 合金で代替するとともに、外側のコンクリートを繊維で補強することで、大地震後も機能を維持し継続して利用できる高速道路が 2017 年に試験 的に建設されている [2]。しかし、建設を主導した米国 Nevada 大学の Saiidi 教授は、Ni-Ti 合金では大径材で良好な変形回復や十分な靭性を実現するのが難しく、接合のための加熱を伴う加工により端部周辺が脆化する危険性がある点が普及へのボトルネックであることを指摘している。近年、超弾性形状記憶合金を用いて大地震後の建物の機能維持を目指す研究が国際的に 活発化しており、性能、加工性、コストの全ての面で優れた超 弾性形状記憶合金の開発が世界の多くの地震多発国・地域で強く望まれている。 このような状況の下、著者らは新しい超弾性形状記憶合金である Cu-Al-Mn 合金(銅(Cu)、アルミニウム(Al)、マンガン(Mn)の合金)の開発を進めている。本稿では、Cu-Al-Mn 合金の開発と建築物の耐震性向上への応用について、最近の研究内容を紹介したい。

図 -1 鋼材と超弾性形状記憶合金の応力-ひずみ関係の比較。鋼材は塑性 変形により荷重を除くと残留変形が生じる。超弾性形状記憶合金は形状回復により残留変形が生じない
2. 単結晶 Cu-Al-Mn 合金の量産技術の開発
2.1 研究の背景と成果の概要
通常、金属材料は結晶の集合体である多結晶である。これまでに、Ni-Ti 合金より廉価な銅系形状記憶合金(Cu-Al-Mn 合金 の他に Cu-Al-Ni、Cu-Al-Zn、Cu-Al-Be などの合金、Zn:亜鉛、 Be:ベリリウム)について多くの研究がなされている。これらの研究を通して、銅系形状記憶合金では力学特性が結晶の方向に大きく依存するため、多結晶では十分な変形回復性能が得られず、結晶間の境目である結晶粒界で破壊しやすいことが知られている。一方、一つの結晶からなる単結晶では優れた変形回復特性が得られることが知られているが、時間をかけて結晶を大きくするブリッジマン法やチョクラルスキー法などの従来 技術では数 mm 程度の小さな部材でも単結晶化に特殊な設備が必要であり、建築物で利用する寸法の単結晶部材の量産は事実上不可能と考えられていた。このような状況の下、著者らは特定温度域で加熱・冷却のサイクルを繰り返すサイクル熱処理と呼ばれる技術を開発し、従来のように特殊な設備を必要とせず、一般の熱処理炉を用いて大型単結晶部材を現実的なコストと時間で量産することを可能にした。
2.2 異常粒成長メカニズムの解明 [3]
結晶粒界はエネルギーが高く、高温では粒界を減少させよう と結晶粒成長が起きる。その際、通常は図 -2(b) のように結晶 粒径の分布が一定範囲内で進行する。このような結晶粒成長は正常粒成長と呼ばれる。一方、特定の条件の下では、図 -2 (c) に示すように特定の結晶粒が周囲の結晶粒よりも早く粗大化することがある。このような結晶粒成長は異常粒成長と呼ばれる。 ここでは、高温ではβ相(体心立方格子の結晶構造)の単相、 低温ではβ相の中にα相(面心立方格子の結晶構造)が析出し二相となる温度域で加熱・冷却を繰返すサイクル熱処理(図 -2 (a))により異常粒成長が生じることを見出した。また、異常粒成長を詳細に調査し、冷却時にα相が析出する際にα相の周辺のβ相で方位差が生じ、加熱時に亜結晶粒(わずかな方位差を持つ微細な結晶粒)が生成することを見出した(図 -3)。 亜結晶粒の界面である亜結晶粒界も方位差に応じて高いエネル ギーを有しており、これが異常粒成長の駆動力であることを特定した。さらに、径 30mm の棒材を試作し、建築物の耐震要素で利用できる寸法の棒材においてバンブー結晶(各結晶粒の大きさがワイヤーの径を超え、結晶粒界が竹の節のように現れる竹状の結晶粒構造)の形成により良好な変形回復性能を実現できることを実証した(図 -4)。
2.3 単結晶化技術の開発 [4]
ここでは、2.2 節の知見に基づき、方位差の大きい亜結晶粒界を得ることを試みた。異常粒成長は
800 °Cや 900 °Cの高温で生じやすいのに対し、比較的低温(740 °Cなど)ではβ単相でも異常粒成長がほとんど生じない。この点に着目し、異常粒成長を促す従来の 500°C~ 900°Cの高温サイクル熱処理(図 -2(a))と、亜結晶粒の生成を促す500°C~ 740°Cの低温サイクル熱処理(図 -5(上))を交互に行うことで、結晶粒の成長速度を大きく加速する手法を提案した。参考として、低温サイクル熱処理を繰返し行うことにより、結晶方位差が大きくなり亜結晶粒の生成が促されている状況を図 -5(下)に示す。さらに、このサイクル熱処理により径15mm、長さ700mm の Cu-Al-Mn 合金棒材を試作し、現実的な時間内での単結晶化が可能であり、優れた変形回復性能が得られることを実証した。 このサイクル熱処理技術を開発したことで、従来のように特殊な単結晶製造設備を使用しなくても、温度履歴のプログラムを組める通常の熱処理炉で、建築物に適用できるレベルの大きさの単結晶 Cu-Al-Mn 合金部材を製造することが可能になった。

図 -2 (a) サイクル熱処理の温度履歴。(b) 900°C24時間等温熱処理後の結晶粒構造。(c) 900°C → 500°C → 800°C サイクル熱処理後の結晶粒構造。右側に異常粒成長が観察で きる。(d) 900°C → 500°C → 900°C の熱処理 1 サイクル後の結晶粒構造。バンブー結 晶が観察できる。(e) 900°C → 500°C → 900°C の熱処理を 5 サイクル繰り返した後の結晶粒構造。1 の場合と比較して結晶粒が大きくなっている。[3]

図 -4 径30mm 棒材の応力-ひずみ関係 [3]

図 -5 740°C⇔ 500°Cの低温サイクル熱処理(上)を1 回(左)と5 回(右)繰返した時の結晶方位分布 [4]
3. Cu-Al-Mn 合金の塑性化後の力学特性の解明 [5]
超弾性形状記憶合金を建築物の耐震要素として利用するには、ひずみが10% 程度までの変形回復領域だけではなく、それ以上の変形領域における塑性変形から破断までの特性の把握が必要になる。変形回復領域内での力学特性については Cu-Al-Mn 合金を含めCu-Al-Ni合金などでも詳細な調査が行われていたが、塑性変形から破断に至る実験データは Cu-Al-Mn 合金のみならず他の銅系形状記憶合金においても見当たらない状況であった。
ここでは、ランダムな結晶方位を持つ 14 本の単結晶 Cu-Al- Mn 合金棒材の引張試験を行い、塑性変形から破断に至る力学特性を調べた。図 -6(a) および図 -6 (b) に代表的な応力-ひずみ関係と破断後の写真を示す。図 -6 (a) の棒材では応力がほぼ一定となる変形領域の終了後に急激に硬化し、破断ひずみは 10 %程度と靭性は十分ではなく、引張強さ 930 MPa で絞りを伴わないせん断破壊が生じた。一方、図 -6 (b) の棒材では応力一定領域終了後の硬化も限定的で引張強さは250 MPa 程 度であり、破断ひずみが約 80 %と極めて高い靭性を持つことがわかった。この棒材の破断後の試験片を見ると、試験片の中央平行部全体に渡って滑り線(図 -6 (c))が確認され、応力-ひずみ曲線の上に描いた概略図のように大きな結晶の回転を起こしながら塑性変形が棒の材軸方向に広く伝播した後に破断に至っていることがわかる。
図 -6 (b) に示すような極めて高い靭性を持つ Cu-Al-Mn 合金棒材を接合部などで利用することで、地震時に変形回復領域を超えるような想定外の変形が起こっても、梁や柱などの部材に伝わる力を抑制し本体構造の損傷を抑制し粘り強い建物にすることが出来る。
4. Cu-Al-Mn 合金の転造ねじ加工技術の 開発 [6]
超弾性形状記憶合金を建物で利用するには、他の部材と接合する必要がある。従来技術の Ni-Ti 合金は塑性加工や切削加工などの加工性が低く、ねじ切りにはレーザーなどを用いた特殊な加工法が必要となる。そのため、原材料のコストが高いことに加えて、接合に必要な加工に多大なコストと時間を要する点が大きな課題であった。また、ねじ加工に必要な加熱による脆化や変形回復性能の劣化も課題となっていた。 このような状況の下、著者らは転造ねじ加工と呼ばれる加熱を必要とせず量産性の高い加工法を超弾性形状記憶合金に適用する手法を新たに開発し、実用化のボトルネックとなっていた接合に要する加工コストを飛躍的に低減することに成功した。 鋼材の接合では、加工が容易な転造ねじ加工と呼ばれる加工法が用いられるのが一般的である。常温での塑性変形を利用した加工であり、塑性変形に伴う加工硬化によりねじ切り部が強化されるため、切削ねじ加工の場合のように中央部を端部より細くする加工が不要である。しかし、超弾性形状記憶合金は変形回復性能が高いため、転造ねじを適用するのは実質上不可能と考えられていた。
これに対し筆者らは、Cu-Al-Mn 合金では最後に時効処理と よばれる 200°C程度の比較的低温の熱処理を行うことで原子配列の規則性を高めて優れた変形回復性能を実現することに着目し(図 -7)、変形回復性能が比較的低い時効処理前に転造ねじ加工を行い、その後、時効処理を施す手法を提案した。また、 提案手法により転造ねじ加工を施した Cu-Al-Mn 合金棒材を試作し(図 -8)、繰返し引張試験を通して靭性や疲労特性が転造ねじ加工により劣化しないことを実証した(図 -9)。

図 -6 (a) 靭性が乏しい結晶方位を持つ棒材の応力-ひずみ関係と破断後の 写真。絞りが乏しく 45°方向のせん断破壊が観察できる。(b) 靭性に富む結晶方位を持つ棒材の応力-ひずみ関係と破断後の写真。結晶の回転を伴うすべり面が断面縮小部全体にわたって材軸方向に伝播している。[5]

図 -7 時効処理前(左)と処理後(右)の電子回折図形。右側の電子回折図形では原子配列の規則化に起因する回折が明確になっている。[6]

図 -8 転造ねじ加工 (a) 加工装置(通常の鋼材の転造で用いるのと同じ装 置)、(b) 加工前、(c) 加工中、(d) 加工終了時 [6]

図 -9 比較対象の切削ねじ加工を施したCu-Al-Mn 合金棒材の500サイクル疲労試験後の写真。同一寸法の切削ねじ加工棒材では全てねじ部で破断したが、転造ねじ加工棒材では破断は全く生じなかった。[6]
5. Cu-Al-Mn 合金の建築物への適用性の評価
5.1 鉄骨造建物の引張ブレースへの適用例 [7]
Cu-Al-Mn 合金の建築物への適用性を検討するため、ここでは実大スケールの鉄骨造建物の部分骨組の振動台実験を行っ た。通常の鋼材の引張ブレースでは塑性化するほど大きな変形を受けるとブレースが伸びたままになって緩んでしまい、骨組の地震への抵抗力は低下する。鋼材の引張ブレースの一部をCu-Al-Mn 合金棒材で置換することで、この問題を解決することを試みた。
通常の鋼材ブレースを用いた場合、1995 年兵庫県南部地震の1.5 倍の地震動に対して骨組が地震後に大きく傾き、ブレー スが塑性変形を受けて伸びていることがわかる。一方、Cu-Al- Mn 合金棒材をブレース一部に用いた場合(図 -10)、同一の地 震動に対して最大変形は小さく傾きも残らず、ブレースは緩まず骨組は抵抗力を発揮し続けるなど、優れた耐震性を示すことが検証できた(図 -11)。また、十分低い速度で載荷した準静的実験から得られた Cu-Al-Mn 合金の応力-ひずみ関係を用いて骨組の地震応答を予測した結果と振動台実験から得られた観 測結果を比較すると、良好な精度で一致していた。これを通して、建物の地震応答を予測する場合にCu-Al-Mn 合金の速度による応答の変化は依存性は無視できるほど十分小さいことを示した。以上の結果から、Cu-Al-Mn 合金の利用により震度 7 の地震が繰返し起きても建物の変形や損傷を抑制し、無補修もしくは軽微な補修のみで継続して利用できる建物の実現が期待でき る。
5.2 鉄筋コンクリート梁主筋への適用例 [8]
鉄筋コンクリート構造について多くの研究がなされ、これまでの地震被害をふまえて必要な鉄筋量を確保することで十分な靭性を担保する設計が主流となっている。しかし、主筋が塑性変形を受けるような大変形が生じると、コンクリートに大きなひび割れや変形が残ったり、主筋の座屈により周辺のコンク リートが剥落したりするなど、継続利用や早期復旧が困難になる危険性がある。 ここでは、地震時に変形が集中し塑性変形が生じる塑性ヒンジに位置する主筋の一部をCu-Al-Mn 合金に置換することで、 残留ひび割れや残留変形を抑制することの実現可能性を検討した。
図 -12 に鉄筋コンクリート単純梁試験体の寸法と鉄筋の配置を示す。この実験では、中央部の主筋が鋼材の場合とCu-Al- Mn 合金の場合について比較を行った。4 点曲げ載荷を行い、 最大変形が指定値に達すると試験体を上下反対に手動で動かすことで、繰返し載荷を与えた。
図 -13 と図 -14 に中央部主筋が鋼材と Cu-Al-Mn 合金の場合の最大変形時(部材角 =1/50)と荷重を除いた後の変形を示す。 いずれの場合も最大変形時の写真(左側)では最大 5 ~ 6mm のひび割れが発生している。荷重を除いた後の写真(右側)では、主筋が鋼材の場合は 5.5mm の残留ひび割れが残っているのに対して、主筋が Cu-Al-Mn 合金の場合は残留ひび割れが 0.3mm と大きく低減できることを確認した。

図 -10 振動台に設置した鉄骨造の実大部分骨組の写真(オレンジ色ロープは倒れ止め)。 左上の図のように鋼材ブレース(水色)下部をCu-Al-Mn 合金(赤色)で置換。[7]

図 -11 鋼材(上写真)及び Cu-Al-Mn 合金(下写真)を引張ブレースに用いた鉄骨造の振動台実験後の外観。鋼材ブレースが塑性変形で伸びてしまい骨組が傾いているのに対し、Cu-Al-Mn 合金を用いたブレースでは残留変形がほとんど見られない。

図 -12 鉄筋コンクリート梁の配筋図。主筋の中央に鋼材と超弾性形状記憶合金を配置した場合を比較。[8]

図 -13 主筋中央に鋼材を配置した場合の最大変形時(左)と除荷後(右)の写真。除荷後にひび割れが閉じていないことが観察できる。[8]

図 -14 主筋中央に超弾性形状記憶合金を配置した場合の最大変形時(左) と除荷後(右)の写真。除荷後のひび割れの閉塞が観察できる。[8]

図 -15 商品化された木造住宅用耐力壁(左)と超弾性形状記憶合金棒材 (右)[9]
6. まとめ
東北大学(貝沼亮介教授、大森俊洋准教授)、古河テクノマ テリアル(喜瀬純男氏)と共同開発している Cu-Al-Mn 合金の特徴と最近の研究成果は以下の通りである。
・Cu-Al-Mn 合金は銅を主原料とするため Ni-Ti 合金と比べて原材料の価格が数分の一である。また、単結晶化することによりNi-Ti 合金より優れた変形回復性能や靭性などの力学特性が得られる。
・特定温度域で加熱・冷却を繰り返すのみで大型形状記憶合金を単結晶化する技術の開発に成功したのは世界初で、金属材料学の常識を覆す成果である。本来は高コストな単結晶が現実的なコストで製造可能になった。
・変形回復性能を高めるための最終的な熱処理を行う直前のタイミングで転造ねじ加工を行うことで、従来の製造プロセスをほとんど変更することなく超弾性形状記憶合金に転造ねじ加工を適用することを可能にした。
・単結晶 Cu-Al-Mn 合金を用いた木造住宅用耐力壁が積水ハウスのグループ会社である積水ハウス建設により2022 年 3 月に商品化された [9](図 -15)。形状記憶合金構造部材と、これを用いた耐震要素の本格的な実用化は世界初である。今後、社会ニーズが高いリフォーム事業を通した住宅の耐震化促進が期待できる。
参考文献
[1] Fang, C.: SMAs for infrastructure in seismic zones: A critical review of latest trends and future needs, Journal of Building Engineering, Vol. 57, 104918, 2022.
[2] Ge, J., Saiidi, M.S., Varela, S.: Computational studies on the seismic response of the state route 99 bridge in Seattle with SMA/ECC plastic hinges, Frontiers of Structural and Civil Engineering, Vol. 13, pp. 149-164, 2019.
[3] Omori, T., Kusama, T., Kawata, S., Ohnuma, I., Sutou, Y., Araki, Y., Ishida, K., Kainuma, R.: Abnormal grain growth induced by cyclic heat treatment, Science, Vol. 341, pp. 1500-1502, 2013
[4] Kusama, T., Omori, T., Saito, T., Kise, S., Tanaka, T., Araki, Y., Kainuma, R.: Ultra-large single crystals by abnormal grain growth, Nature Communications, Vol. 8, 354, pp. 1-9, 2017
[5] Kise, S., Araki, Y., Omori, T., Kainuma, R.: Orientation dependence of plasticity and fracture in single crystal superelastic Cu-Al-Mn SMA bars, ASCE Journal of Materials in Civil Engineering, Vol. 33, 04021027, 2021 [6] Kise, S., Kataoka, N., Takamatsu, R., Nishida, M., Omori, T., Kainuma, R., Araki, Y.: Feasibility of roll threading superelastic Cu-Al-Mn SMA rods, ASCE Journal of Materials in Civil Engineering, Vol. 33, 04021254, 2021 [7] Araki, Y., Shrestha, K.C., Maekawa, N., Koetaka, Y., Omori, T., Kainuma, R.: Shaking table tests of steel frame with superelastic Cu-Al-Mn SMA tension braces, Earthquake Engineering and Structural Dynamics, Vol. 45, pp. 297- 314, 2016
[8] Shrestha, K.C., Araki, Y., Nagae, T., Koetaka, Y., Suzuki, Y., Omori, T., Sutou, Y., Kainuma, R., Ishida, K.: Feasibility of Cu-Al-Mn superelastic alloy bars as reinforcements in concrete beams, Smart Materials and Structures, Vol. 22, 025025, 2013
[9] https://www.sekiwakensetsu.com/reform/purpose/request_x/ keijokioku/(2022 年 8 月 19 日最終アクセス)