traverse22

特集:「包むもの/取り巻くもの」

interview:

藤江和子
山岸剛
後藤連平
岸和郎×平田晃久, 竹山聖×小見山陽介


project:

​平田研究室
ダニエル研究室
高野・大谷研究室
西山・谷研究室

 

 essay:

布野修司, 古阪秀三, 竹山聖, 大崎純, 牧紀男, 
柳沢究, 小見山陽介
大橋和貴, 大山亮, 山井駿, 林浩平


studio:

秋田次郎, 清岡鈴, 豊永嵩晴, 大崎・張スタジオ

 目を覚ますと授業開始十分前だった。慌てて朝食を流し込む。パソコンの起動を待つ間、ネットニュースに軽く目を通すと、閉業した地元の百貨店の解体工事が進んでいるらしい。感傷に浸るのも束の間、新調したデスクチェアに深く座りなおす。カメラをオフにしバーチャルの教室に入室する。無音が流れていることに、ほっと肩を撫で下ろす。

 ふと、友人からの珍しい通知が目に入る。文面はなく、連鎖する屋外階段の構造がむき出しになった写真。画面を遡るとひとつ前のチャットには、「夏頃落ち着いたら、建築撮りに行こうね」2020年4月のものだった。 —-

 未曾有のパンデミックから早1年。発展するデジタル技術、それに伴う情報化社会への移行は加速の一途を辿っている。生活様式は大きく変容し、身近なものへの認識さえ共有することもままならない。教育現場も変革を余儀なくされ、学びの機会は縮小されている。私たちを包み/取り巻いていた世界/環境はもはやそれ以前と全く変わってしまった。しかし、そもそも私たちは私たち自身を取り巻く環境をほんとうに理解していたのだろうか。

 人間を、社会を、建築を、「包むもの/取り巻くもの」

 当たり前だったものが当たり前ではなくなった今、さまざまな主体と対象を横断/traverseした企画やエッセイを通じて、今一度それらの関係性を見つめ直し、現代を読み解く手がかりを探っていきたい。


INTERVIEW


PROJECT

平田研究室|「包むもの/取り巻くもの」を全て生かして
ダニエル研究室|Paris Tea Pavilion
高野・大谷研究室|「包む音/取り巻く音」
西山・谷研究室|「京都大学建築構法学講座のいま」


ESSAY

布野修司|カンポンとコンパウンド
古阪秀三|建設業の元請下請関係に包まれた技能労働者の賃金構造
竹山聖|包むこと/包まれること
大崎純|離散微分幾何学を用いた曲面のモデル化と生成
牧紀男|まちの記憶と都市・建築 ー東日本大震災から10年ー
柳沢究|「融合寺院」という建築・都市空間の更新プロセスモデル
小見山陽介|動く小さな木の建築

students

大橋和貴|こどもを包む愛ある建築を目指して
大山亮|道具を扱うことの本質
山井駿|未完の思考たちの群れ
林浩平|山・小屋


STUDIO

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